2013年4月18日木曜日

garam masala Delhi























インドデリーという街に1ヶ月と少し滞在しながら制作をしてきましたが、今回は一癖も二癖もあって、やはり中でもセキュリティの問題と嘘、この二つが頭を悩まされた一番の原因だと思う。いつもビルから撮影させてもらう時には、事前に交渉していたり、もしくは現地のアシスタントと直接交渉しながら許可を取るというやり方をしながら徐々に現地の人との関係性も出来、そこからまたネットワークが出来、人づてに紹介してもらうという方法を取っているが、デリーではそうはいかず、むしろ逆に何も許可を取らず半ば不法に(例えばホテルの場合勝手に客室に帰るかのように屋上テラスまでいくとか)アシスタントを従えずに一人で迷いこんでしまった旅行客のようにふらっとマンションの屋上に上がったり、というような方法が意外にもうまくいったりした。やはりテロ対策が厳しくて、マンションや、ホテル、オフィスビル、レストランなどには必ず守衛さんがいて、ほぼ全てのエントランスにX線検査がある。これはデリーの至るところに設置されていて、かなりめんどさい。全ての電車の改札機の前にもあり、毎日絶対乗る為鞄を検査しなければならない。特にフィルムを大量に持っているので、毎回ハンドチェックしてもらうというのも疲れた身体に追い打ちがかかる。デリーのCPというエリアで以前爆弾テロが何度かあり政府も片っ端から調べることを徹底している。 当然プロジェクトの為にこのビルの屋上から撮影させてくれというのも簡単にいくはずは無い。“何の為?”“誰の為?”“レターはあるか?”など質問はそれだけで、どれだけ重要なプロジェクトと説明しても門前払い。目も合わせてくれない冷たい人もいた。 
この日にレターを持ってきたら責任者がいるからというので、その指定通りに時間に行くと、あと“2時間後に帰ってくる”とか。そんなことはざらで、明日来れば撮影させてあげるというので次の日に行くと、“明日もう一度来てくれ”その次の日また行くと“明後日なら絶対大丈夫”...OKわかりましたと明後日、そこの責任者休み....。電話しても出ない....。みたいなもう笑うしかない状況。事例をあげていくとほんとにきりがないが、まぁとにかくそんなことが日常的にある感じで。。 
40℃近い天候のもと都市を歩き続け、大量の人の熱気、スパイスとギィの香り、止まないクラクションの音、オートリキシャや車の排気ガス、埃、小便、豪雨、雷を1ヶ月の滞在の中で全身にばさっと浴びせられ、それを流すのにまだまだ時間がかかりそうだが、流れ落ちる前に制作にかからねばと思う。

今回は様々なことを受け入れるということを非常に意識した旅になったと思うし、 15都市目を機に、手探りの状態で、わけも分からぬままただただ路頭に迷い、地図と格闘していた初期の海外撮影の記憶を思い返すことができたことは、良い機会になったと思う。

いつも心の中で“恐るべしインド”と呟いていたが、総称したその言葉もデリーの地図に反映したいと思う。スパイスをきかせたピリ辛な作品、汗をかきながら制作したい。





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